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Hockey in Canada
HCC コーチ インタビュー(パトリック・ボワロー)
- categorymemo
- Update2008-11-13 (Thr) 18:13:17
HCCのミジット1(15-16歳のチーム)のヘッドコーチ、パトリック・ボワロー。見た目も素敵なパトリックですが、性格も明るくとても気さくな方です。ミジットAAA→メジャージュニアでプレイし、18歳のときにWASHINGTON CAPITALSより3順目69番にドラフトされました。メジャージュニア時代には2度メモリアルカップにも出場し、1995年から7年間は主にAHLで活躍。WASHINGTONからDETROIT REDWINGS(写真)にトレード後はNHLでの出場回数も増え、その翌年はPITTSUBURG PENGUINS(写真)に移籍。NHLのロックアウトがきっかけでその後はヨーロッパへ渡りスイス、ドイツのプロチームで2年前までプレイしていたという経歴の持ち主です。
インタビューをご覧下さい。
-いつ頃からNHLに行けるかもしれないと思い始めましたか?-
子供の頃はただただホッケーが好きで、家の地下室を3回も修復しなければいけなかったほどホッケーばかりしていたね。もしかしたら可能性があるのかも?と思い始めたのはミジットAAAでディフェンスとしてリーグトップの成績を残し、翌年メジャージュニアでルーキーの中でルーキーオブザイヤーに選ばれ周りからNHLにドラフトされる可能性があると言われた頃かな。それまではNHLは夢の世界だった。
-数あるメジャージュニアの選手の中からなぜ自分がNHLに行けたと思いますか?-
一言で言うなら集中力が人一倍あったから。思春期の頃から食べるものには気を使い、十分睡眠をとり、ドラッグや飲酒や喫煙はしない。周りから”さぁ飲みに行こうぜ!”と誘われても自分はまず行くことはなかったね。それだけ自分の目標をしっかり持っていたし、ホッケー選手としてやらなければいけないことを忠実に守っていたと思う。毎年現実味のある目標を掲げていて、例えばミジットのときはリーグで1番になるとか、メジャージュニアではNHLのドラフトにかかるとか、その目標を着実にこなしていた結果かな。NHLの選手で成功している人は90%は皆努力の賜物だと思う。時には例外もいて、毎晩飲み歩いてひたすら楽しいことしかしなくても成功する人もごくごく稀にいるけどね。そういう人はNHLに100人に1人位いる。
-NHLのスカウトの目に留まるには?-
確かにエリートコース(ミジットAAA-メジャージュニア)は確実な路線だけど、エリートコース以外にもいい選手はたくさんいて、この差は以外に小さいもの。だからどのチームでプレイするとかどのレベルでプレイするとかはそれほど重要ではない。一番大事なのはどんなレベルでも自分の持っている100%の力を常に発揮すること。抜群の成績を残したり、すごい評判になるようないい選手は必ずどこかで認められるから。もちろんスカウトの目の届く範囲(北米やヨーロッパで)だけどね。スカウトによって個人差はあるけど、大体5つのポイントを見られる。
1.スケーティング 2.ゲーム感覚が優れているかどうか 3.態度 4.技術(ハンドリングやパス) 5.性格
一番大事なのは実は5番目の性格であって、これは氷上ですべて見られるわけではないから実際にインタビューをしたり、周りからの評判を聞いたりする。
-HCCにいる日本人選手について-
皆日本の選手はいい技術を持っているんだよね。パックハンドリングにしてもパスにしても。そして平均してスケーティングがうまくて力強い。カナダの選手に比べると小さい頃からの試合数が少ないせいかゲーム感覚をもっと向上させる事、ゴール前のバトルで勝つ方法を学ぶこと、よく皆に言うことなんだけど”NO PAIN, NO GAIN”(痛みなければ得ることもなし=蒔(ま)かぬ種は生えない)。そして精神的に強くなることが課題だろうか。特にプロとしてこれから巣立っていく際には強靭な精神力が必要になってくるから。
変な話だけどNHLに到達する事よりもNHLでのポジションをキープすることの方がずっとずっと大変なんだ。NHLでは2セット目までに入れれば大体ポジションを保障されているようなものだけど、3セット目、4セット目になるとAHLの4セットそしてECHLの4セットが同じポジションを争っているようなもので、常に30人以上のライバルと戦っていかなければいけない。下の選手はなんとしてでも上に這い上がろうとして必死になって努力するし、1試合1試合結果を残していかなければすぐに落とされる。そういう恐怖との戦いは選手である以上ずっと続くし、常にこめかみに銃を突きつけられている感覚で結果を残すのは並大抵ではない事。派手な生活や名声、お金目的でNHLに行きたいという人はもうこの段階で続かなくなるよね。NHL選手になったからといって喜んでいられるのはほんのひと時であって、次の目標はたくさんある。NHLの試合にできるだけ多く出る、毎試合レギュラーとして出場する、試合でのアイスタイムを増やす、ポイントを稼ぐ、チームの優勝に貢献する、とにかく目標は限りない。
-2006年の長野カップに参加されましたよね-
そうなんだ。初めての日本はとても印象的だった。最初は”日本でホッケー?それなら楽勝!”と高をくくっていたけど、実際日本の選手はとてもレベルが高くて正直驚いたよ。(この年の長野カップでは日本が優勝)ただ、こっち(ドイツチーム)がフィジカルなプレーに切り替えると、波がさぁ~っと引くかのように本来の日本のスキルを発揮できなくなったのも事実。すばらしい技術を持ち、見事なチームプレイを見せてくれたけどやはり精神面では弱いのかも知れない。
-ホッケー以外での思いでは?-
長野のお寺を見たり、着物屋さんで30分くらいじーっと女の子が着付けをしているところを見たり、とても楽しいときを過ごす事ができたよ。チームメートのクリス・ブライトが色々案内してくれたんだけど、クリスが流暢な日本語を話すと店の人もお茶を出してくれたりお菓子を出してくれたり。やっぱり言葉を話せるだけでぜんぜん対応が違う!名古屋ではメニューにあるメインコースをすべてオーダーしたいと言ったら絶対食べられないからとお店の人から断られて・・・メニューの1ページ分全部オーダーすることで同意したけど結局は足りなくて再オーダー。店の人も呆れていたよね。機会があったら是非また行ってみたいよ。
-最後にハリントンカレッジのコーチをしていて感じることは?-
この間チームの皆にも言ったんだけど、僕はここに来て新たな生きがいを感じているんだ。家族から離れて皆が一生懸命希望を持って毎日練習している姿を見ていて、自分が選手だった頃のあの情熱がまたよみがえってきた。新たな目標もできたしね。自分がコーチとして成功したいという目標ではなく、選手を育成する目標。試合でいいプレイをすると ”うわー、今のすごい良いよ!” って思わずベンチから大声で叫びたくなる、そして背筋がぞくぞくっとするんだ。こういう興奮はたまらないね。皆が皆プロになれるわけではないけど、最大限努力してできるだけ希望の道に行けるよう助けてあげたいと思っている。自分の経験が少しでも役に立てばと願っています。
スタートはスローでしたが、ここに来てミジット1チームもまとまってきました。パトリック・ボワローコーチの下、日本からは河内 翔君がチーム内で活躍しております。今週末もいい結果を残してくれる事を期待しています。


